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提言

薬学部における情報セキュリティー

芝共立ITC 所長:鈴木 岳之


慶應義塾大学には、医・薬・看護医療の医療系3学部がある。医療現場における情報セキュリティーの重要性は、すでに世間一般にも認識されているところである。さらに、年金情報の漏出といった事態からも、個人情報保護やシステム保守に関する重要性が改めて認識されている昨今である。

しかし、医療系学部にあっても、直接医療行為に携わらず、基礎研究を行う教員においては、そのような他者の個人情報を多数自分のPC等に保管するということはあまりない。ただ、学生の成績などは多くの教員が自身のPC等に保管している場合が多く、そのセキュリティーに関しては、同様の慎重さが要求される。薬学部でも、各教員に対して情報管理に関する注意喚起はかなり以前から行ってきている。

慶應義塾大学薬学部がある芝共立キャンパスでは、学部内のイントラネットワークはITCによるかなり強固なガードがなされている。当然、それにより、制限も生じる。もちろん、このような場でセキュリティーの概要を示すわけにはいかないが、各教員が、医療系学部であるという意識から、若干の制限は受け入れていること、また、ITCとして、実際のユーザーにできる限り不自由さを感じさせないようにするための努力を行っていることから、幸いなことに大きなインシデントもなくここまできている。

ただし、薬学部に限らないことだが、教員世代と学生との間で、デバイスに関する意識が大きく変わってきていることも事実である。入力や解析を主な仕事とする教員では、そのツールとしてはPC以外には現状考えられない。しかし、学生は検索が主な使用目的であり(遊び以外で、ということで)、その目的ではタブレットやスマホで十分である。立場が異なれば、主として用いるデバイスも異なることは当然であり、今後はさらに、現時点では考えられないような状況が突然現れることも十分考えられる。

情報管理に携わる立場の人間にとって、最先端のデバイスの使用に関して理解しておく必要がある。

ということで、ITCの皆さん、遊びも含めてアンテナを広く広げましょう。

最終更新日: 2015年9月18日

内容はここまでです。